Sound Monologue

arz - ART THEATER - リフレインを軸とした広い意味で電子音楽を作っています。Electro - Techno - Soundscape - Cinematic - Ambient - 環境音楽

タンスとヤグラ

昔、シンセ持ちのステータスといえば「タンス」、キーボーディストは「ヤグラ」を組むものと相場が決まっていた。各自、タンスの大きさや台数、ヤグラ構築の複雑さや配置、美的な部分も含めこだわりを持っていた。 かくゆう私も「タンス期」から「ヤグラ期」を通過してきた人種である。正確には「タンス期」はほぼ無いに等しい。理由としてはタンスは高かったのでせいぜい私の財力ではサイドボードくらいが限界だった。そのかわり「ヤグラ期」はそこそこ長かった。

 

●タンス


moogモーグ)に代表される巨大なモジュラーシンセの通称。YMOのステージで真ん中に鎮座していた 松武 氏や、シンセサイザー・ミュージックの重鎮 冨田勲 氏、初期のアナログシンセの大御所は大抵タンス所持です。

●ヤグラ


複数台積めるキーボードスタンドを更に数台起き、キーボードに囲まれた状態を構築した様。きっと今もライブでのキーボディストは似たような感じだと思う。ロック、プログレに関わらず、バンドのライブ画像or動画を探すと、キーボードの方は概ねヤグラの中に居る様だ。

 

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自分もバンドをやっていた全盛期には、ステージに鍵盤3〜4台(キーボード・スタンド2台)、4Uのラック2個に音源モジュールとエフェクターを入れ更にラインミキサー。おまけにギターも弾いていたので、ギター本体とギター用のエフェクターまで。当然車がないと練習スタジオにすら行けない重装備。人力のみで運べる量をゆうに越した状態である。

更に上記のライブ用の機材とは別に、家にはレコーディングミキサーや、エフェクター、他の音源モジュール、サンプラーリズムマシン等の機材が置いてある状態。部屋を暗くすると沢山の機材のLEDや液晶の明かりがまるで宇宙船のコックピットに居るような感じで、その様を見ているだけで満足してしまうくらい「エクスタシー」な感じ。

なんか創作に必要なものを集めていたらこうなったのか、はたまた創作に適した環境がこうなのか、その中にいると創作するしか無いわけで、結果創作をし続ける日々だったのだが…。

機材もさることながら、シールドやMIDIケーブルの束、電源タップの鬼のような数、おまけに防音の為に部屋は締め切り空調を入れてることが多かったし、きっと電力会社のお得意様だったろうと勝手に思っている。

今やパソコン本体にオーディオ・インターフェイスMIDIキーボード、それにギター。かつては寝るスペース以外部屋の殆どを機材に専有されていた事を思えば随分スッキリしたもんだ。

そして、物理音源皆無でも音楽制作が成り立ってしまう時代、スマホで結構な音作りが出来ちゃう時代に、自分がまだ音楽を作っていられるのはきっと幸せな事なんだろうな。
(大したもの作ってないけどねテヘペロ)

今まで沢山の機材達を所持し使用してきた事は、自分の音楽の肥やしに確実になっていると思う。 かつての機材達に感謝を込めて「ありがとう」。
そしてさようなら。

内容に関する事は個人の考えなので異論は認めます(笑)
これは2014/05/03にnoteというSNSにて公開した駄文です。
自己紹介だけだと寂しいいので少し修正して掲載しました。